円滑な企業活動を促進し、会社が継続的に利益を上げていくためには企業全体の活性化が必要不可欠です。企業を活性化させるためにはさまざまな手段があります。最近では企業が有給取得を促進したり、育児休暇、産休などを積極的に取得させたりと工夫して社員のモチベーション向上に務めています。
では効果的な企業の活性方法にはどのような手法が挙げられるのでしょうか。そこで挙げられる手法が「インナーブランディング」です。インナーブランディングに成功すれば社員ひとり一人のモチベーションが大きく向上し、生産性も上がっていきます。さらに企業理念などへの理解が深まっていくとともに、離職率なども低下しますので企業にとって大きなプラスになるのです。
しかし、インナーブランディングは決して簡単ではなく、大変な時間と労力がかかってしまいます。したがって実際に取り組んでもなかなか活動が進まずにお困りの担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではインナーブランディングについて詳しく解説をおこない、インナーブランディングに取り組むメリットについても詳しく解説をしていきます。ぜひ最後までご熟読いただき、自社でインナーブランディングをおこなう際の参考にしてください。
インナーブランディングとは
自社ブランドや企業価値や商品を社員ひとり一人に理解・浸透させ、企業全体で理念の共有をおこなう活動のことを「インナーブランディング」といいます。インナーブランディングで社員の行動指針の決定や、企業理念浸透のための促進的な活動をおこなうことにより、社員ひとり一人が理念の共有へと進んでいくのです。
そして一般的に社外に対しておこなうイメージがあるのが「ブランディング」ですが、インナーブランディングは社内に向けて発信していく活動といえます。
インナーブランディングが重要な理由
終身雇用制度を取り入れている企業は減少し、さまざまな雇用形態で多種多様な人材が所属する企業が増加しています。
そこで重要視されるのが「インナーブランディング」です。インナーブランディングが実施されることにより、社員全員が共通の理念と価値観の共有ができます。価値観の共有ができればお互いの理解も深まり、よりよい職場環境が形成され雇用も定着します。
最近ではよりよい環境を求めて転職する傾向があります。特に若手社員は「働きやすさ」を重視して企業を選ぶ傾向も強くなっています。したがって優秀な人材を確保するためにもインナーブランディングが重要といえます。
インナーブランディングのメリット
インナーブランディングが浸透していけば、社員一人ひとりのモチベーションも向上して円滑な企業活動が促進されます。さらに企業理念も社員全体に浸透していき、共通の理念に基づき業務を遂行していきますのでエンゲージメント向上も可能です。
では実際にインナーブランディングをおこなうことで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここからはインナーブランディングの影響で企業内に表れる好事例などを紹介していきます。
従業員ロイヤルティの向上
「忠義」「忠誠」を意味する言葉が「ロイヤルティ」です。企業内では「愛社精神」とも表現されています。そして「従業員ロイヤルティ」とは自分が所属している企業への愛社精神や忠誠心を表す言葉として使用されています。
従業員ロイヤルティが高ければモチベーションが向上して、仕事のエンゲージメントも高まるのです。さらにエンゲージメントの高まりに伴い全体の業務効率化も促進されるなど、組織の成長にも繋がります。インナーブランディングを浸透させていくことで企業理念などの共有だけでなく、社員一人ひとりが企業へのロイヤルティを持って行動していくのです。
インナーブランディングをおこなっても社員一人ひとりが「当事者意識」を持たなければロイヤルティは高まっていきません。企業の上層部のみでインナーブランディングを推進し、社員が「上からの指示」といった捉え方になれば全く意味のないものになってしまいます。インナーブランディングを浸透させていくには、上層部がインナーブランディングをおこなう意義などを社員に説明することが重要です。その上で企業全体として取り組み、社員に当事者意識を持たせて浸透させていけばロイヤルティも高まっていきます。
組織のパフォーマンス向上
組織内で自分が遂行している業務と、それに伴う成果のことを「組織のパフォーマンス」といいます。インナーブランディングに成功して仕事全体のエンゲージメントが向上するに伴い、組織のパフォーマンスも向上するのです。
結果として企業全体が共通の成果や成功に向けて前進できる組織へと成長し、サービスなどの品質向上にも繋がり円滑な企業活動が促進されていきます。さらにその対価として大きな利益を得る喜びも知ることができるのです。そして上記のような活動が促進されることで、さらなるプラス効果が期待されます。
それは「業務上の早期問題解決」です。インナーブランディングが浸透すれば組織のパフォーマンスが向上することはいうまでもありません。そして組織のパフォーマンスが向上すれば全体的な連携が高まり、業務上の問題点に対してさまざまな意見交換がおこなわれます。活発な意見交換が実施されれば円滑なコミュニケーションが促進され業務プロセスの問題点の早期解決にも繋がっていくのです。
そしてインナーブランディングをしっかりと浸透させ、組織のマネジメントを向上させるためには「マイクロマネジメント」を避け、社員ひとり一人に適度な権限を移譲することも重要といえます。マイクロマネジメントとは上司が部下の行動を細かくチェック、指示を出すマネジメントスタイルのことで、一般的には「過干渉」的なスタイルとして認識されています。
したがってマイクロマネジメントをおこなえば、活発な意見交流なども妨げられますので、組織のパフォーマンス向上の手段としてはおすすめできません。
定着率向上と離職率低下
インナーブランディングを浸透させれば、社員の定着率が向上して離職率が低下していくメリットが生まれます。実際の離職の理由はさまざまですが、最近では自分の仕事にやりがいを感じることができなかったり、人間関係が悪化して離職していくケースが多く見受けられます。その結果として社員の定着率がいつまでも向上せずに困っている企業も多いのが現状です。
では定着率を向上させ、離職率を低下させるにはどんな手法があるのでしょうか。代表的な手法に「従業員エンゲージメントの向上」が挙げられます。従業員エンゲージメントとは、従業員自身が企業の経営方針や方向性に共感して、率先的に会社に貢献したいと感じる意欲のことを指します。
従業員エンゲージメントを高めるには企業と従業員、従業員同士の一体感などが必要不可欠です。そして全体的な一体感を高めるにはインナーブランディングの浸透が欠かせません。インナーブランディングによって企業理念や方針に対して社員同士が深い理解を示し、共通の目的に向かうことで連帯感が生まれてくるのです。このような観点からも従業員エンゲージメントを高め、離職率低下のためにもインナーブランディングは欠かせません。
さらに従業員エンゲージメントを高めるには、社員ひとり一人の能力・適性を活かすことができる配属をしていく「タレントマネジメント」が最適です。企業が効率よくタレントマネジメントを運用すれば社員も仕事にやりがいを感じて定着率の向上に繋がるのです。
アウターブランディングへの相乗効果
企業内の社員などに対して企業理念やサービスなどの目標を理解、浸透させていく活動が「インナーブランディング」です。一方、「アウターブランディング」とは、社外のユーザーなどに対し自社ブランドをより認識してもらい、市場を拡大していくための活動のことを指します。
社内にインナーブランディングが確実に浸透すれば、社員ひとり一人が高いモチベーションを持って業務にあたります。例えば営業などでユーザーとの距離が近い職種でモチベーションが高ければ積極的に自社のアピールをしていき、その時点でアウターブランディングが成立するのです。結果としてインナーブランディングをしっかりと浸透させることは、効率的なアウターブランディングにつながるといえます。
上記で解説したようにインナーブランディングとアウターブランディングは密接した関連性を持っていることは明らかです。そしてこのような観点からも社外のユーザーなどにしっかりとアウターブランディングをおこなうには、インナーブランディングの浸透は必須であるといえます。
インナーブランディングを実施する上でのポイント
インナーブランディングを実施して確実に浸透させるためには、社内の現状を分析し、課題を把握するのが第一です。そしてブランド戦略の策定をおこない、具体的にブランディングしていく事項を決定していきます。
その後インナーブランディングにおける目標設定をおこない、目標達成のための具体的な施策の検討・展開(認知→理解・共感の促進→定着)活動に着手します。最後にPDCAサイクルを実施し、施策の効果検証などをおこなっていくのです。
では上記のような手順でスムーズにインナーブランディングを浸透させていくにはどのような基本ステップが重要なのでしょうか。ここからはインナーブランディングを浸透させるための基本ステップやポイントについて詳しく解説をしていきます。
価値観の多様性を重視する
インナーブランディングをおこなえば社員同士が共通の理念に向かって行動していきます。企業の全体的な活性化や従業員同士の円滑なコミュニケーションなどにも繋がり、活発な企業活動が促進されていくのです。しかし、前述でも紹介したように現在は多種多様な価値観を持った人材が企業に流れており、考え方も多岐にわたっています。
インナーブランディングをおこなう際には、企業内のさまざまな価値の多様性を認めながらおこなうことが重要です。相手の価値観を認めずにインナーブランディングを進めてしまえば「多様性排除」に繋がって、企業の成長の可能性を妨げかねません。結果として価値観の多様性を認めながらインナーブランディングを進めるのも重要なポイントといえます。
中長期的なスパンでPDCAサイクルを回す
実際にインナーブランディングに取り組んでも完全な浸透までにはどうしても長い時間がかかってしまいます。したがって中長期的なスパンで実施期間を捉えてPDCAサイクルを回すことが重要です。
担当者がそれだけ必死になってインナーブランディングに取り組んでみても、短期間で簡単に社員の意識というものは変化していくものではありません。確実にインナーブランディングを浸透させていくには中長期的にPDCAサイクルを回し、実施と改善に取り組みながら効果測定するのがおすすめです。さらにインナーブランディングに取り組む具体的な時期や、目標などを具体的に数値化しておくことで中長期のスパンでも継続可能になります。
インナーブランディングの効果的な手法は
インナーブランディングの実施により社員同士の連携も高まり、企業の活性化に繋がるのはいうまでもありません。では実際にインナーブランディングをおこなう際の効果的な手法にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
手法の1つとして社内別部署への理解が深められる「社内報」などの手法が挙げられますが、あくまで紙媒体のみでの伝達方法になりますので大きな効果を得ることは困難です。そしてインナーブランディングでは企業理念などを伝える必要があり、理念などの形がなく抽象的なものは紙媒体や言葉だけで伝えるのは至難の業といえます。
そこでおすすめの方法が、「動画作成」という手法です。動画作成では頭に描いたイメージや抽象的な理念なども映像にして簡単に伝えることができます。ではここからは動画を活用してインナーブランディングをおこなう際の効果的な手法について解説をしていきます。
最大の効果が期待できる動画の活用
インナーブランディングでどのような施策を実行するにしても、インナーブランディングの真の目的は「企業理念の浸透」です。したがって、できるだけ効率よく浸透していく方法でインナーブランディングを実施することが重要といえます。インナーブランディングで効率よく相手にメッセージを伝えたいのであればやはり「動画」がおすすめです。動画で効率よくインナーブランディングを実施している企業の1つに「パパまるハウス」が挙げられます。
パパまるハウスは企業理念や企業文化を発信するインナーブランディング動画に社長自らが出演し、話題を呼びました。短時間で分かりやすいコンテンツが高評価を得て、伝えたいメッセージがポイントごとに分かれているのも特徴的です。また社長が動画内に登場するのみならず、ナレーションも担当しており、人柄などが伝わりやすい動画に仕上がっています。
他にも効果的なインナーブランディング動画を発表しているのが「NTTPCコミュニケーションズ」です。この会社の動画の尺は16分以上を超え、力の籠った力作に仕上がっています。動画内にはサービスクリエーション本部、営業本部などの部署から責任者が出演し、それぞれの部署の業務内容や取り組み方などについての紹介動画が印象的です。
ハイクオリティな動画を作るには
インナーブランディングに動画を活用すれば、活動が推進される上に浸透も深まっていきます。しかし、クオリティの高い動画作成は自社での作成は困難で、仮にできたとしてもクオリティの低い動画になってしまいます。そこでおすすめなのが「動画の外部発注」です。
プロに動画作成を依頼すれば、撮影から編集まで一貫して取り組んでくれますので簡単に作業を進めることができます。また、専門的な知識が必要な撮影や編集の準備も全て任せることができますので安心です。そして今までに多数の実績があり、広告映像で実績があるプロに依頼すれば、企画の立案から広告映像のノウハウを活かした動画を作成してくれます。
自社で作成するとなれば自分たちだけの狭い視野での作成になりますが、プロに依頼することで外部の視点から自社の魅力を発見してくれるのも大きなメリットです。したがってインナーブランディング動画作成は課題整理から動画制作、納品までワンストップで対応できる会社がおすすめです。
インナーブランディングを検討される方へ
インナーブランディングは企業の成長には欠かすことができない活動であり、成功すれば企業は大きな躍進を遂げることができます。しかし現実に取り組んでみてもなかなか浸透せず、取り組み方などを試行錯誤している担当者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、インナーブランディングをおこなう際はできるだけ効率よく、社員に確実に浸透させたいものです。インナーブランディングの施策は自社で行うことも可能ですが、難しい部分はインナーブランディングに強い企業に相談してみるのもおすすめです。 コンサルが得意、イベントに強いなど、企業ごとに強みがあるので、課題やステージに合わせて相談先を選定すると良いでしょう。
シースリーフィルムは、テレビCM制作を核として培ってきたアイデアやクリエイティブの力を応用し、インナーブランディングを目的とした映像やデジタル施作などにも取り組んでいます。 社員へのコミュニケーションに映像を用いることで、エンゲージメントを高める効果が期待できます。 課題整理からコンテンツ制作までワンストップでサポートいたしますので、ぜひご相談ください。