従業員に対して発信している情報やメッセージが、100%従業員に届き、理解・共感されているか不安を感じていませんか?
インナーブランディングと呼ばれる会社の内側に対してのブランディングを強化することで、会社理念やヴィジョンへの理解・共感が深まり、従業員の望ましい行動に直結することが期待されます。
インナーブランディング施策の一環として社内報を発信しようにも「どのようにメディアを活用すべきかわからない」「どのような効果が期待できるのかが見えてこない」とお困りの企業も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、以下の内容を深堀して解説していきます。
- なぜインナーブランディングが必要なのか
- 社内報の形として注目されているメディアミックス
- メディアミックスを使うことで得られる効果
本記事を読むことで、インナーブランディングの効果を望める社内報の作り方が見えてくるはずです。
是非、参考にしてみてください。
必要性の高まるインナーブランディング
現代は「VUCA(ブーカ)時代」とよばれています。
VUCAとは、先行きが見えず、将来の予測が困難な時代を表す言葉です。
VUCAの時代において、企業のインナーブランディングは非常に重要な意味合いがあります。
なぜなら、VUCAの時代を乗り越えるスキルとして「適切な情報処理能力」や「自分の頭で考えて行動を起こす能力」が社員一人ひとりに必要とされているからです。
インナーブランディングをおこなうことで、なぜそれらのスキルが醸成されていくのかを解説します。
インナーブランディングがもたらす効果は
インナーブランディングがもたらす大きな効果として、従業員が企業の問題や課題を「自分ごと」として捉え、ポジティブに・能動的に動けるようになることが期待されます。
なぜなら、インナーブランディングによって会社理念やビジョンへの理解・共感が深まることにより、理念やビジョンの実現に向けた自発的な行動に繋がるからです。
企業の問題や課題に対して「理念やビジョンに沿って解決するにはどうしたらいいだろう?」という思考が生まれ、自ら動き出せるようになることが期待されます。
インナーブランディングが浸透することにより、従業員は高いモチベーションを維持でき、業務のパフォーマンスも向上します。
従業員のエンゲージメントを上げる
エンゲージメントとは、従業員が会社の目指す理想像や方向性に共感し、自身が会社に貢献したいと思っている姿勢を指す言葉です。
インナーブランディングが浸透することで、会社理念・ビジョンへの共感・理解が深まり、エンゲージメントが高まることが期待できるのです。
エンゲージメントが高まると、従業員は自社や商品・サービスの魅力を社外に向けて能動的に発信するようになります。
それによって、社外からのブランドイメージが上がり、更には業績が伸びていくことに繋がるでしょう。
会社と従業員の繋がりが深まることで、会社全体のパフォーマンスが高まることが期待できます。
見直されるコミュニケーションの取り方
近年の働き方の多様化や感染症の流行によって、会社内でのコミュニケーションが希薄になっていくことが懸念されております。
その課題の解決策として注目されているのが、インナーブランディングの有効な施策の1つであるインナーコミュニケーションです。
インナーコミュニケーションとは、会社の組織力を高めることを目的としたコミュニケーションです。
企業からのメッセージを全従業員と共有することで共通の目的意識を持て、社員のモチベーション維持や、生産性の向上に繋がることが期待されます。
インナーコミュニケーションをとる方法として有効なものの1つが社内報です。
社内報を使って企業からのメッセージを共有したり、模範となる従業員の行動事例や思いを共有することで、理想的な組織風土の醸成に繋がります。
社内報の形 メディアミックス
社内報の1つの形として「メディアミックス」があります。
メディアミックスとは、複数のメディアを使ってターゲットにさまざまな情報を与える手法を指します。
類似語として「クロスメディア」がありますが、クロスメディアは「購買に向けて誘導すること」を目的とし、「認知度を高める」を目的としたメディアミックスとは到達点が異なります。
メディアミックスの分かりやすい例として、1つの小説から「アニメ」「アニメ映画」「実写映画」「グッズ」など、認知度を上げながらコンテンツを拡大させていく手法が挙げられます。
そのメディアミックスを、社内報に応用するポイントを解説します。
メディアミックスの媒体
メディアミックスの媒体として、以下の4種類が挙げられます。
- アナログメディア
- デジタルメディア
- インターネットメディア
- ニッチメディア
それぞれのメディアの代表例として、以下のような媒体の種類やメリット・デメリットがあります。
メディアの種類 | 代表例 | メリット | デメリット |
アナログメディア |
などの紙媒体 |
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デジタルメディア |
などの電波を介した媒体 |
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インターネットメディア |
などインターネット上の媒体 |
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ニッチメディア |
などターゲットを絞って発信する媒体 |
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このように、個別にメリット・デメリットがあります。
それらを考慮しながら組み合わせを考えることが大切です。
社内報にメディアミックスを取り入れるメリット
メディアミックスを取り入れることは、社内報を通じてインナーブランディングを浸透させるうえで、有効な施策となります。
社内報にメディアミックスを取り入れるメリットは以下の4点です。
- 従業員が自身の好む媒体で社内報に目を通せる
- 社内報の閲覧機会を増やせる
- それぞれのメディアのメリットを活用できる
- それぞれのメディアのデメリットを補える
多くの従業員が関わっている企業の場合は特に、紙媒体・インターネット媒体、どちらを好むかは人それぞれのはずです。
メディアミックスを取り入れることで、各々が好むメディアで社内報に目を通すことができます。
また、メディアを使い分けながら社内報を複数回発行することで、閲覧機会が増えていくことも期待できます。
心理学的にも「単純接触効果」と呼ばれる効果があり、人は興味がない人物やモノゴトでも、接点が多くなるほど好意を寄せる傾向があるのです。
また、各メディアそれぞれのメリットを活かせ、デメリットを補えることも、メディアミックスを取り入れる醍醐味だといえるでしょう。
メディアミックスの注意点
社内報にメディアミックスを取り入れるうえで、それぞれのメディアの特徴を押さえたうえでメディアを選定し、発信する内容を決めることが大切です。
各メディアの特性を活かして、ターゲットとなる従業員の導線を設計することを意識して、メディアを選定しましょう。
- 従業員の興味を引く
- 従業員に共有したい内容を知ってもらう
- 従業員の自発的な行動に結びつける
従業員がどのような場所・タイミングで情報に目を通すのかを意識することで、よりインナーブランディングの効果を高めることができるはずです。
また、メディアの存在意義をしっかりと定義して従業員に明示することも大切です。
それぞれのメディアの存在意義を明確にしないと、メディアに目を通さない従業員が出てくることも想定されます。
メディアの特徴を捉えたうえでメディアの選定・発信内容を吟味する、それぞれのメディアの存在意義を定義した上で従業員に提示することが重要です。
効果的なメディアミックスのサクセス
社内報を有効利用することで、社内のコミュニケーションを円滑にし、従業員のエンゲージメントを高めることに繋がります。
企業の規模が大きければ大きいほど、経営層の掲げるビジョンや届けたいメッセージは、現場の従業員に伝わりにくくなってしまうものです。
社内報にメディアミックスを取り入れることによって、経営層のメッセージや、他の社員の働き方や思いが共有され、社員同士の目線を合わせることができ、組織全体の一体感の向上に繋がります。
メディアミックスを効果的に取り入れるため、それぞれの成功事例を解説していきます。
Webメディアを使った成功事例
社内報にWebメディアを取り入れた成功事例です。
その企業はWebメディアを通して「会社の今」を従業員に伝えることをコンセプトとしました。
Webメディアの強みは、他の媒体にはないスピーディーさです。
情報の濃さよりも速さに重きをおいて、少なくとも毎日1記事、多い日は1日に3~4記事を投稿して、従業員の興味を引くことに成功しております。
また、従業員が社内Webメディアに目を通すことを習慣化させる仕組み作りも徹底されております。
従業員が出勤し、パソコンをインターネットに接続させると最初に社内Webメディアが表示されるように設定されているのです。
更に、各種手続きの申請などが社内Webメディアを通してできるようになっており「何か必要な手続きがあるときは社内メディアにアクセスする」という導線が組まれております。
このように、Webメディアならではの強みを活かした発信内容の選定と、従業員に見てもらうための仕組みを作ることで、社内報の効果を最大化しているのです。
紙媒体メディアを使った成功事例
上記のWebメディアを使った成功事例として紹介している企業は、Webメディアとミックスして紙媒体メディアも運用しております。
紙媒体メディアは3カ月に1度の頻度で発行しており「会社のリアル」を従業員に伝えることがコンセプトです。
Webメディアでは記載しきれない裏話や背景を詳しく紹介しており、従業員に刺激を与えることを目的としています。
発行後の社内アンケートでは従業員の満足度が平均92%と高く、目標としている90%を越える形をキープしております。
産・育休中の従業員にも送付して目を通してもらうほど徹底したこだわりを持っており、経営陣・メディア運営者の熱意が各従業員に伝わっているといえるでしょう。
Webメディアと紙媒体メディアのメリット・デメリットを把握して、コンセプトだけでなく発行頻度にまで考慮したメディアミックスの好例となっています。
動画を組み合わせた成功事例
Webメディア・紙媒体メディアを駆使した社内報で成功を収めている上記の企業では、更に動画を組み合わせて、更に従業員エンゲージメントを高めることに成功しております。
半年に一度おこなわれる全社員が集まる集会で、動画を使ってMVP従業員の発表をするという演出をおこなっているのです。
動画でMVP従業員を発表する目的は、表彰を盛り上げること・表彰の納得感と重みを醸成することです。
更に、MVPを受賞した従業員の入社からこれまでの成長ストーリーのムービーや、上司からのお祝いメッセージを組み込むことで、受賞した従業員へのサプライズの効果も担っております。
動画を導入するメリットとして、視覚情報・聴覚情報・言語情報の3点から同時に情報を与えることで、視聴者の記憶に定着しやすいことが挙げられます。
動画はMVPの表彰に限らず、会社理念・ビジョンの共有や、商品やサービスの情報共有など、さまざまな目的で応用可能です。
メリットの大きい動画メディアを組み込むことは、メリット・デメリットを補い合ったWebメディア・紙媒体メディアのメディアミックスの効果を最大限まで高めた結果に繋がりました。
動画作成のポイント
インナーブランディングを目的として動画を作成するときは、以下のポイントに重点を置くことが大切です。
- 動画を作る目的を明確にする
- 誰にどこで見てもらうための動画なのかを明確にする
- 何をどのように伝えるのかを明確にする
- 驚きや発見、感動など、視聴者の感情を揺さぶる内容・ストーリーを取り入れる
完成度の高い動画を作成することで、視聴者の感情を揺さぶり、望ましい行動に結びつけることが可能になります。
映画などを見て登場人物に共感して涙を流したり、自身が尊敬する人物の行動や考え方を模倣した経験がある方が多いと思います。
質の高い動画を作成し、インナーブランディングの施策として運用することで、会社理念・ビジョンに共感した従業員が自発的に望ましい行動を取ることが期待されます。
質の高い動画を作成するには、それ相応のスキルや知識が必要です。
自社の社員だけでは高品質な動画の作成が難しい場合は、専門会社へ外注するのがおすすめです。
インナーブランディングを検討される担当者様
インナーブランディングの施作は自社で行うことも可能ですが、難しい部分はインナーブランディングに強い企業に相談してみるのもおすすめです。
コンサルが得意、イベントに強いなど、企業ごとに強みがあるので、課題やステージに合わせて相談先を選定すると良いでしょう。
シースリーフィルムは、テレビCM制作を核として培ってきたアイデアやクリエイティブの力を応用し、インナーブランディングを目的とした映像やデジタル施作などにも取り組んでいます。
社員へのコミュニケーションに映像を用いることで、エンゲージメントを高める効果が期待できます。
課題整理からコンテンツ制作までワンストップでサポートいたしますので、ぜひご相談ください。