- ブランディング施策に広告宣伝費をかける必要があるか悩んでいる
- インナーブランディングの成功事例を知りたい
- インナーブランディングにおけるコストの考え方をおさえておきたい
インナーブランディングについて、上記のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
消費者など外部に向けたアウターブランディング施策では、広告宣伝費が多く発生します。しかしインナーブランディングとアウターブランディングは大きく異なり、発生する費用の種類やコストの考え方についてもそれぞれ確認が必要です。
本記事ではインナーブランディングと広告宣伝費の関係、およびインナーブランディングで発生するコストについて解説します。
インナーブランディング施策についてお悩みの方は、ぜひお読みください。
インナーブランディングとは
インナーブランディングとは社内の従業員に対して実施するブランディング施策です。
ブランディングには、外部向けのアウター(エクスターナル)ブランディングと、内部向けのインナーブランディングの2種類があります。
単にブランディングと呼ぶ場合には外部向けのブランディングを指すケースが多いですが、内部向けであるインナーブランディングも重要な役割を有します。
インナーブランディングは近年、重要性・必要性に関する注目が高まりつつある施策です。
企業が取り組む目的
企業がインナーブランディングに取り組む目的として、社内の従業員から企業理念や企業価値に対する共感を得ることがあげられます。
企業理念やビジョンなど、会社として目指す方向性を浸透させ、従業員の理解・共感を得るために施策を行います。
会社に対する理解度が高まることで、仕事への意識改善や従業員のエンゲージメント向上などが実現します。
企業としての理想をイメージしやすくなるため、業務に対する意識・姿勢が変わる可能性が高いです。
会社に対する好感度が高まり、誇りや満足感を持ったうえでの業務につながると期待できます。
また、インナーブランディングのため、動画やWebサイトなどのコンテンツを制作する場合もあります。従業員間でコンテンツの内容について触れる機会が増えれば、会社に愛着を持ってもらうことも可能です。
自社でコンテンツの制作が難しい場合は、社外に制作を依頼するケースもあります。
このようにインナーブランディングは、社内に対して実施し、従業員の意識や行動を変えるための施策です。
そしてインナーブランディングの展開は、やがて企業としての成長やブランド力の向上など、市場での良い成果にもつながります。
インナーブランディングが上手く進めば、会社として目指すビジョンが明確になるはずです。
すると従業員一人ひとりが、企業の理想像やブランド価値の実現に向けた動きをすると期待できます。
働き方が改善され、業務効率化や品質アップなど、良い循環を生み出していける可能性も高いです。
具体的な手法とは
インナーブランディングの具体的な手法として、いくつかの例を紹介します。
- 社内向けの動画コンテンツ
- 社内報や社内向けサイトの作成
- 社内イベント
動画コンテンツは、短い時間で多くの情報を発信できるうえ、高い訴求力を実現できる方法です。一度制作したコンテンツを繰り返し使えるため、多くの人にアプローチができます。
ただし動画コンテンツは大きな成果が期待できる一方で、求められるクオリティのレベルも高いです。
そのため社内ですべて制作しようとせず、外部のプロに依頼すると効率的です。
社内報や社内向けサイトも、インナーブランディングに効果的な手法のひとつです。
企業理念やビジョンをはじめ、従業員に対してさまざまな情報を手軽に発信できます。
また従業員が自身の好きなタイミングで閲覧できる点もメリットです。
ただしサイト構築・作成には、ある程度の専門知識が求められるため、自社で行うには負担が大きい可能性があります。
社内イベントは、インナーブランディングを楽しみながら進められる方法です。
仕事以外で同じ時間を過ごすため、普段あまり関わらない人とのコミュニケーション促進や、仲間の新たな一面の発見などが期待できます。
結果として従業員同士の結束が強まり、価値観の共有や目指す方向性の一致などにつながるでしょう。
イベントによって時間・予算が異なるため、自社の目的や負担などのバランスを考慮することが大切です。
大規模なイベントは、企画や運営のサポートを外部に依頼すると効率良く進みます。
もたらす効果とは
インナーブランディングがもたらす効果の主な例は以下のとおりです。
- 従業員のモチベーション向上
- 従業員満足度の向上、人材の定着
- 業務の効率および質の向上
インナーブランディングが上手く進めば、企業理念やビジョンなど、企業として目指す方向性が明確化されます。
そのため従業員は、この会社で働く意味や求められる役割、自身の必要性などを自覚しやすくなります。
仕事に対して前向きになるため、結果としてモチベーションの向上につながるのです。
インナーブランディング施策は、人材の定着率向上にも効果的な手法です。
インナーブランディングによって社員の共感を得られれば、自社に対する満足度や愛着心が高まります。
自社で働くことに対する意欲が強くなるため、退職を選ぶ人が少なくなる、すなわち定着率の上昇が期待できます。
業務の効率および質の向上も、インナーブランディングによって期待できる効果のひとつです。
インナーブランディングが成功すれば、従業員は自社の理想や方向性を意識しながら業務にあたるようになります。ブランド価値の実現に向けた意識的な活動は、効率アップとともに、より良い業務につながります。
インナーブランディングには広告宣伝費が必要?
インナーブランディング施策の概要について確認した結果、以下のような疑問が生まれた方も多いのではないでしょうか。
- インナーブランディング施策にはどれほどのコストが発生するのか
- 外部向けブランディングと同様、広告宣伝費が多く必要なのか
- 広告宣伝費をかけずに施策を行う方法や、費用を抑えた成功事例はないのか
どこに費用をかけるべきかは、施策を行うにあたって気になるポイントです。
インナーブランディング施策の具体的な事例を用いながら解説します。
広告宣伝費を抑えた事例
インナーブランディングは、すでに多くの成功事例がある施策です。
事例によって、施策の進め方やコストをかけるポイントは大きく異なります。
スターバックスは、アウターブランディングのための広告宣伝費を抑えてインナーブランディングに重点を置き、結果として企業価値を高めてきた成功事例です。
ブランドの確立やブランド価値の向上には、広告宣伝費が必要と考える方は多いのではないでしょうか。
しかしスターバックスは独自のブランドが確立していながらも、広告宣伝費は大きく抑えられています。
アウター向けに広告宣伝費をかけて施策を実施し、ブランディングに成功した事例も数多くありますが、広告宣伝費を抑えながらも、ブランディングに成功した事例も存在します。
スターバックスの事例について詳しく解説します。
スターバックスの成功事例
スターバックスはコーヒーチェーンのなかでも、ブランドイメージの確立・高い価値の獲得に成功している事例です。
そんなスターバックスは広告宣伝費を抑え、代わりに人材育成に費用と時間をかけています。
スターバックスのインナーブランディング施策にみられる特徴や、成功のポイントとして、以下の3点があげられます。
- 丁寧な人材育成により高品質な接客が実現し、世界観の確立や顧客の満足度につながっている
- 充実した研修制度ながらもマニュアルは存在せず、従業員の自主性が重んじられる
- 「従業員満足度」の先に「顧客満足度」が存在するという考えが前提にある
スターバックスは接客レベルの高さが人気の理由のひとつです。
費用と時間をかけた丁寧な人材育成により、自然と良い接客が実現するようになったのです。スターバックスとしてのブランド価値の確立や、顧客の満足度に大きく貢献しているポイントです。
またスターバックスは、研修制度が充実していますが、マニュアルは存在しません。
これは従業員の自主性を重んじ、一人ひとりが満足のいく接客を考えるためにとっている体制です。
ビジョンやブランド価値が浸透しているため、従業員自身がブランド実現のために活動できています。
スターバックスのベースに存在するのは「従業員が満足していない会社では、お客様を満足させることはできない」という考えです。
従業員満足度の重要性を意識しているからこそ、従業員が満足できる体制の整備や、インナーブランディングを重視しています。
スターバックスは徹底したインナーブランディング施策により、広告宣伝費を抑えながらも、ブランド価値の確立に成功しました。
インナーブランディングにおけるコストの考え方について
インナーブランディングの実施により、広告宣伝費を抑え、ブランディング施策が成功した事例は存在します。
しかし広告宣伝費が抑えられる一方で、インナーブランディングには費用や時間などのコストは必要不可欠です。
なぜ費用や時間がかかるのか、インナーブランディングにおけるコストの考え方について解説します。
コストは必須
インナーブランディング施策の実には、費用や時間などのコストがかかるのは必須です。
インナーブランディング施策が上手くいけば、外部向けの広告宣伝費は抑えながらもブランディングができる可能性があります。
しかし従業員の研修や動画などのコンテンツの制作など、各種リソースが必要となります。したがってコストがかかるのは、どうしても避けられないのです。
インナーブランディング施策で発生するコストとして、以下の例があげられます。
- 社内研修や従業員へのアンケート実施など、人材育成・人事に関するコスト
- 動画・社内報・社内サイトなどコンテンツ作成のコスト
- インナーブランディング施策に際して外部に依頼する際のコスト
広告宣伝費を抑えた成功事例として紹介したスターバックスも、人材育成に大きなコストがかかっています。
インナーブランディングは従業員のモチベーションや業務の質を向上させるなど、さまざまな効果が期待できる施策です。
しかし施策の実施にはある程度のコストが発生することを、事前に認識する必要があります。
短期的に成果が上がるわけではない
インナーブランディング施策は、短期的に成果が上がるわけではない点にも注意が必要です。
インナーブランディングでは、企業理念やビジョンなどを社内に浸透させるための施策を行います。これらが十分に浸透するまでには、多くの時間を費やします。
また自社として大切にする価値観自体は伝わったとしても、従業員の意識や考えがすぐに変わるとは限りません。
無理やり方向性を揃えようとする、共通認識を求め過ぎるという姿勢は、従業員の排除につながってしまいます。
インナーブランディング施策は積極的な取り組みが必要なものの、社内の自然な変化を待つことも大切です。
このようにインナーブランディングは、どうしても短期的な成果を上げにくい施策です。
したがってインナーブランディングを検討・実施する際は、中長期的な視点を持つ必要があります。
とはいえ施策を実施して、その後何もせず成果が出るのを待つだけというのも良い方法とはいえません。
定期的なアンケートの実施や、測定した結果に基づき検証・実行を繰り返すなどにより、定期的に施策を改善する必要があります。
中長期的な視点を持ちながら粘り強く施策を行うことで、やがて成果につながっていきます。
社内のリソース問題解決のために、外部に依頼を
インナーブランディングをすべて自社で行おうとすると、社内のリソースが不足してしまう恐れが大きいです。
インナーブランディングで必要となる具体的な施策として、以下の例が挙げられます。
- 企業理念やビジョンをアピールするためのポスター制作
- 動画や社内サイト用の記事などコンテンツ制作
- 社内研修や社内イベントなどの企画・運営
インナーブランディング以外の業務も存在する中で、すべてを社内で巻き取るのは困難です。
インナーブランディングを無理なく効率的に進めるには、外部に依頼するのもひとつの方法です。
動画コンテンツなら動画制作会社に依頼できます。
社内のリソース問題を解決できるだけでなく、専門知識を有するプロによる、質の高い成果物が実現します。
外部に依頼する際には、社内に浸透させたい価値観やビジョン、施策の方向性などの明確化が必要です。
自社の関係者が核となる必要がありますが、外部の視点を入れることで意外な会社の魅力を抽出することがあります。具体的なコンテンツ制作のサポートも含めて、外部のプロに依頼することは大きなメリットがあります。
外部に依頼するとコストはかかりますが、社内リソースの問題を解決しつつ、効果的な施策を展開できます。
インナーブランディングについてご検討される方へ
インナーブランディング施策は、自社のリソースのみで実施もできますが、時間や労力など大きなコストがかかる場合が多いです。また効果的な施策を行うためには、インナーブランディングに関する正しい知識や理解も欠かせません。
自社ですべてを対応しようとせず、難しい部分はインナーブランディングに強い企業に相談すれば、効果的な施策を無理なく実施できます。
一言でインナーブランディングといっても、企業によってコンサルティングやイベントなど、得意とする分野が異なります。
自社の課題や理想などを考慮し、そのうえで相談先を選定するのが良いでしょう。
インナーブランディングの中でも、動画は視覚的かつ多くの情報を伝えられるため、非常におすすめできる方法です。
映像制作で30年以上の実績のあるシースリーフィルム(C3Film)は、インナーブランディングを目的とした映像やデジタル施作などにも取り組んでいます。
テレビCM制作を核として培ってきたアイデアやクリエイティブの力を応用した、インナーブランディングに効果的な動画の制作が可能です。
シースリーフィルムは、インナーブランディングに関する課題整理から動画制作まで、ワンストップでのサポートが可能です。
インナーブランディングとして動画の活用を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。