インナーブランディングの一連のプロセスでは、一部を外注化するのが効率的だといわれています。社内リソースが足りない場合や、施策を実現できるスキルを持った社員がいない場合、外部企業の協力を扇ぐのはよい選択肢です。
近年では、部分的業務だけでなく、組織の課題整理からブランドの浸透までのトータルでインナーブランディング支援を行う企業も増えてきています。信頼できる外部パートナーを持つことや、よき相談先を見つけることは、経営や組織作りにおいても重要です。
しかし、「インナーブランディング支援とは、具体的に何をやってくれるのだろう?」「導入支援の必要性が本当にあるのか?」「支援先の選び方がよくわからない」などの疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではインナーブランディングに関する外注化を検討されている方に向けて、その必要性から支援の具体的ステップ、相談先を選ぶうえで重視するポイントなどを詳しく解説していきます。通してお読みいただくことで、インナーブランディングの導入支援を受けるメリットや支援の流れなどをイメージできるようになりますので、自社の社内改革にぜひ役立ててみてください。
インナーブランディングとは
インナーブランディングとは、企業の理念やビジョンなどの価値観を社内全体に浸透させるための取り組みです。ブランディングは、マーケティングの一環として社外向けに行う「アウターブランディング」へのイメージが強いかもしれません。
しかし、ブランディングにおいては、企業で働く社員や内部関係者が、自社の掲げるミッションや価値観を理解し、共感することが先決と考えられています。インナーブランディングの強化は、一人ひとりの意識を変え、社内の士気統一を促します。結果的に業務効率化や商品やサービスの品質向上など、企業成長に直結していくため、アウターブランディング形成の土台にもなると考えられるのです。
また、社員が「この会社で働き続けたい」という愛着心を持つことや「この会社で何をするか」という意義を見出す効果が期待できます。インナーブランディングで社員ロイヤリティを向上することで、離職率の低下や優秀な人材の確保といった、企業の人事における課題にも貢献していくのです。
インナーブランディングには動画コンテンツが効果的
インナーブランディング施策には、社内報やポスター制作、ITツールの導入などさまざまな手法があります。なかでも多くの企業が取り組んでいるのは、動画コンテンツの活用です。動画コンテンツは、冊子やポスターなどに比べて情報量が多く、人の記憶に残りやすい、共感を得やすいといったメリットがあります。映像、音楽、効果音、テキストなど複数の要素を使って自社のブランドイメージを表現できるため、社員に自社の魅力を理解してもらいやすいです。
また、一度制作すればインナーブランディングとしてだけでなく、採用ページへの掲載や企業説明会などの採用シーン、社外向けイベントなどでも活用可能です。自社の魅力を効率的に伝える手段として、あらゆる場面で活躍します。
インナーブランディング支援とは
インナーブランディングの施策を、外部のプロフェッショナル企業に支援してもらうケースが増えています。もちろん内製化することも可能ではありますが、クオリティの高いコンテンツを作ることや、成果に結びつきやすい計画を立てることも重要。ここでは、効果的なインナーブランディング支援を進める具体的手順を見ていきましょう。
課題解決のためのヒアリング
まずは、課題解決に向けたヒアリングを行います。インナーブランディングは長期的に取り組むことで成果が得られるものです。一度きりで終わらせずに定着するまで継続的に施策を実行し、課題やステージごとにPDCAを回していく必要があります。
そこで、インナーブランディング支援では、依頼される企業担当者にヒアリングを行い、現状の分析から課題抽出などを一緒に検討します。企業によって導入すべき手法やリサーチする項目が異なるため、導入段階のミーティングは非常に重要です。
支援策のご提案
次のステップでは、活動の方向性を定めていくステップです。抽出課題やリサーチ結果などから仮説を立て、支援策を提案していきます。依頼側の希望を考慮しつつ、データの収集や解析などから得た数値データをもとに、定量的な目標設定なども行います。
このステップにおけるポイントは、企業の課題点を構造的に理解し、問題の根源となっている点を明確にすることです。リサーチ結果から得られたデータをもとに、解決すべき課題の優先順位を決め、もっとも重要な活動の領域を定めていきます。
ブランディング設計
続いて、ブランディングの活動プランを設計していきます。具体的な決定事項としては、期間や費用の設定。インナーブランディングの活動を、社員の行動に結びつけるために、どのような施策がどのタイミングで必要かといったプランニングを行う段階です。
一般的には、フレームワークやロードマップなどを用いて、各フェーズごとのスケジュールを立てていきます。またMVV不明瞭になっている場合は、策定や再検討を行うこともあります。
インナーブランディング施策として、どのような手法を実践するかも重要なポイントです。ブランドビジョンを認知させ、理解してもらうこと。そして共感を得て定着させるまでの展開を見通した施策を検討していきます。
コンテンツ制作
インナーブランディングの全体的な計画フローが決定したら、いよいよコンテンツの制作に入ります。導入するコンテンツの種類は、動画コンテンツや社内報、ポスター、社内コミュニケーションツールの開発などさまざまです。
コンテンツ制作のフローは、とくに外部企業の支援を必要とします。近年では専門的な知識や技術がなくても、個人や企業が独自にコンテンツを作成できるツールやサービスも提供されているため、内製化できることもあります。
しかし自社で制作する場合、クオリティや社内リソースが不足しがちです。外部のプロフェッショナルによるコンテンツは、自社ブランドのイメージをアップし、社員への共感を高めるのに有効。コンテンツのクオリティがインナーブランディングの効果を大きく左右するとも言われています。
ブランディング浸透へのコンサルティング
インナーブランディング施策は、一度きりで終わりではなく長期的スパンで継続して行う取り組みです。組織の文化を定着させ、維持していくことが重要なので、施策実行後も効果測定や改善などのPDCAサイクルを回していく必要があります。
インナーブランディング支援では、施策実行後の行動・継続促進へのコンサルティングを受けられます。ブランディング設計のステップで打ち立てた目標を達成しているか、その達成度を定量、定性的に評価する方法を、パートナーと一緒に考えていくことができます。最終的には、企業のインナーブランディング活動が自走化できるのを目指し、社員のオーナーシップを育てるためのサポートを行います。
インナーブランディング支援の必要性
インナーブランディングの進め方や一般的な手順を見ていくと、自社で独自に進めることも可能なのではないか?と感じる担当者の方もいるかもしれません。そこで、インナーブランディング支援を受ける必要性を、改めてチェックしておきましょう。
ハイクオリティなコンテンツ制作
インナーブランディング施策を外注化するメリットとして、ハイクオリティなコンテンツを制作できるという点が挙げられます。インナーブランディングでは、コンテンツが社員間の共通の話題になり、コミュニケーションのきっかけになることが重要です。
質の高いコンテンツは、自分が働く企業のことを自ら情報発信したいと思う気持ちを掻き立てます。自社の商品やサービス、職場環境などを人に勧めたいと思う気持ち、いわゆる「社員エンゲージメント」にも影響します。
とくに動画コンテンツでは、言語化しにくい情報やイメージを、わかりやすく届けられるのがポイントです。言葉だけでなく、その奥にある経営者の想いやストーリーなどを端的に表現し、どれだけ共感してもらえるかが重要なのです。クオリティの高いコンテンツを作るには、プロのクリエイティブな発想と技術が欠かせません。とくにブランデットムービーのようなコンテンツで手作り感やチープさが出てしまうと、ブランディングとして逆効果になりかねません。ブランディングの効果を大きく左右するため、良質なコンテンツを制作できる実績豊富な企業に依頼するのが理想的です。
コンサルティングから映像制作までサポート
近年では、インナーブランディングの課題抽出から施策実行後のコンサルティングまでワンストップでサポートするサービスが増えています。コンテンツ制作や開発など部分的な外注化では、効果に結びつかずに終わってしまう可能性もあります。導入から浸透までの一連のプロセスにおいて伴走してくれる企業は、信頼性も高いといえるでしょう。
インナーブランディングの最終目標は、施策実行ではなく社員へのブランド価値の浸透にあります。認知から理解、共感の促進から定着までをしっかりサポートしてくれる外部パートナーを持つことで成果につながるインナーブランディングが可能になります。
豊富な動画コンテンツ制作の実績
インナーブランディングに動画コンテンツを取り入れる場合、制作実績の豊富な企業を選ぶことも大切です。過去にどのような映像制作をしてきたか、制作事例やポートフォリオなどを確認しましょう。
また、映像を使ったプロモーションやマーケティングなど、企業PRに特化している支援先を選ぶのもポイントです。ただ美しく、かっこ良い映像を作るだけでは、インナーブランディングの目的である「ブランド価値への共感や理解」は実現できません。
「どのように見せるか」「どのようにメッセージを伝えるか」といったプロデュース力とクリエイティブ力の両方が必要です。テレビCMやオンライン広告など、映像制作への確かな実績を持つ企業であれば、より効果の高いコンテンツが期待できます。
インナーブランディングにかかる費用
インナーブランディングは、プランの内容や制作するコンテンツなどが企業ごとにそれぞれ異なるため、導入支援にかかる費用を明確にすることができません。インナーブランディングは企業課題に合わせたプラン設計が必要なうえ、予算によって施策内容が異なったり、サポートの範囲が変わることもあります。
支援費用の概算を知ることは、インナーブランディングのイメージをより具体化させていくことにもなります。インナーブランディング着手への決断にも影響するので、まずは企業に問い合わせて、見積を依頼してみてください。
インナーブランディングを検討される方へ
インナーブランディングの導入支援は、企業の課題抽出からブランド浸透までの伴走者を得られるというメリットがあります。インナーブランディングは、企業が独自に行うことも可能です。しかし取り組み全体を通じた相談、コンサルティングなどのサポートは、長期的な取り組みの中で大きな支えとなります。
企業によって、イベント企画やITツール、コンサルティングなど、強みとする得意分野が異なります。自社の希望やサポートが必要な部分にマッチする企業を、相談先として選んでみてください。
シースリーフィルムでは、テレビCM制作を軸に培ったアイデアやクリエイティブな技術を活かし、インナーブランディングを目的とした映像制作やデジタル施作に取り組んでいます。動画の活用は、効率的なコミュニケーションによって社員エンゲージメントを向上させたり、企業からのメッセージを一度で多くの人に届けたりと、さまざまな効果が期待できます。
ご要望に応じて、課題抽出からコンテンツ制作までワンストップでサポートいたしますので、まずはお気軽にお問合せください。