インナーブランディングを推進する時のクレドの役割|心に響く言葉が人を育てる

インナーブランディングによる組織の変化

インナーブランディングをおこなう上で、クレドのもたらす効果はどれほど認知されているでしょう?インナーブランディングは自社商品やブランドの価値を社員に理解してもらうための活動で、企業理念・行動指針の浸透を促す活動を指します。最近では多くの企業がインナーブランディングの導入を試みていますが、なかなか社内に浸透せずにお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、インナーブランディングの詳細を紹介し、重要な要素の一つである「クレド」についても詳しく解説をしていきます。本記事を参考にして頂ければインナーブランディングへの理解が深まり、社内への浸透にも役立ちます。是非最後まで熟読して頂き、自社のインナーブランディングに役立てて下さい。

インナーブランディングの本質を知る

インナーブランディングの本質を知る企業理念・価値を自社の社員に対して浸透・共感を促す活動のことを「インナーブランディング」と呼びます。社員の一人ひとりが企業理念・価値について理解・納得して意識変革をしていかなければインナーブランディングは成功できません。インナーブランディングが浸透すれば、社内からの変革により企業価値のさらなる向上につながり、理想的な姿に近づいていきます。
インナーブランディングとは、企業・社員が共に理想的な企業を作るための重要な活動と言えます。

インナーブランディングの必要性

現在は終身雇用などの概念が薄れて人材の流動が活発化して、多種多様の価値観を持つ人材が企業の中に所属するようになりました。人材の多様化などの雇用の変化に伴い、企業のインナーブランディングの必要性が高まっています。多様な価値観や理念を持った社員を同一の目的に向かわせるためには、意思統一を促すインナーブランディングの浸透が欠かすことができないからです。
以前の日本は終身雇用制度が一般的で、ほとんどの人材が長年1つの企業に勤めるのが当然でした。したがって、ほとんどの企業でインナーブランディングの必要性が生じませんでした。しかし現在は日本でも海外同様に人材の流動化が進み、その動向に伴いインナーブランディングの必要性が高まっています。

インナーブランディングの主な施策

インナーブランディングは企業の社員向けのブランディングです。施策としてはさまざまな形式のコミュニケーション手法を活用して促進していきますが、コンテンツマーケティングの考え方でインナーブランディングの施策に関して分析すると、大きくフロー型とストック型に分類されます。下記にフロー型の施策とストック型の施策をまとめてますので、参考にしてみてください。

・フロー型の施策例:表彰制度・社内外イベント・納会・ポスターなど

・ストック型の施策例:クレド・社内報・Web社内掲示板・マニュアル動画・研修教材・サンクスカード・社内ポイントなど 

フロー型は比較的短期型のコンテンツで、一時的な効果を促進する施策方法です。一方のストック型は継続的な利用を考慮したコンテンツで、日常的な自社ブランドへの理解、さらなるエンゲージメントを促進する施策方法です。
特にストック型の中の「クレド」は、インナーブランディングを成功させるうえで、重要な要素の1つと言われています。

クレドとは

クレドとはクレドとは企業理念を個人レベルに落とし込んだもので、社員が守るべき日常的な行動指針のことを指します。クレドを定めることにより、社員一人ひとりがさまざまな事態に直面した際の判断基準・行動指針にもなります。クレドを定めることで社員一人ひとりが企業理念を身近に感じることも可能になります。
クレドはラテン語で「志・約束・信条」などを意味する言葉で、会社の目的・企業の存在意義などを示している企業理念などとは少し意味合いが異なります。

 

「コンプライアンス」「モットー」「スローガン」との違い

クレドには、「コンプライアンス」「モットー」「スローガン」などの混同しそうな言葉があります。コンプライアンスとは、企業が法令などを遵守した上で業務をおこなうことです。モットーとは簡単な表現で個人や組織の理念・美徳を明示したものを指します。スローガンとは組織の情報・主張や理念、活動目的を簡単に表現したもので、日本語では「合言葉」「標語」などの意味合いがあります。
クレドとは企業理念を個人レベルの行動指針に落とし込んだもので、コンプライアンス・モットー・スローガンなどとは内容が異なります。

インナーブランディングでクレドを作る目的・必要性は

クレドを作ることは、インナーブランディングにおいて重要事項の一つです。目的としては社員一人ひとりにクレドを周知・理解させることで、自分で考え行動する主体性を持つ人材の育成を促進します。また、育成により従業員のモチベーション向上にも繋がります。
さらにクレドを作成・浸透させていけば、社員は企業という組織に属している責任を感じ、コンプライアンスを遵守するように心がけるようになります。社員一人ひとりの守るべき信条を表現したものがクレドであり、クレドを浸透させることで社員の考え方や育成にも繋がります。結論として、社員・企業の成長にはクレドは欠かすことができない要素の一つといえます。

クレドをもっと知る|成功事例から学ぶ

クレドをもっと知る|成功事例から学ぶクレドの作成は2000年台からの企業の相次ぐ不祥事がきっかけで広がりました。不祥事により海外の大手企業が経営破綻したことを皮切りに、日本国内でも金融不祥事や食品偽装問題などさまざまな事件が取り上げられたのです。その後の再発防止策として企業のモラル意識向上のためにさまざまな規制法が作成されました。
このような流れに伴い、社員の自主性を高め意識・行動を改革していく手段としてクレドが作成・活用されるようになったのです。クレドを導入・浸透すれば社員は主体性・モラル意識が高くなりクレドに沿った行動を取ることで社会的な貢献も十分に期待できます。

抽象的なMVVを具体的なクレドに変換

ミッション・ビジョン・バリューの頭文字をとった言葉が「MVV」です。企業の任務・目的・使命などを指し、会社の経営を通じて実現したいことをミッションとして表現します。企業活動を通して価値を提供する対象や、会社の社会貢献の方法などを具体的に表現したものともいえます。
企業の理想的な在り方のことを「ビジョン」と呼びます。ビジョンは企業の目標・方向性を明確にしたものであり、社員は自分が目指す姿をビジョンに投影していきます。
バリューはMVVの中でも重要な価値観を示しており、企業の信条のことを指します。結果としてバリューを中心として事業展開をおこない、社会価値であるミッションを創造して企業のビジョンに辿りつく流れが一般的です。
ミッションとビジョンを支える価値観として存在し、MVVを実現するための指針がクレドです。したがってクレドは、MVVの内容を行動指針に落とし込んだものともいえます。

成功事例|リッツカールトン

「リッツカールトン」は「ゴールドスタンダード」という企業理念を設定し、全社員が積極的に実践しています。ゴールドスタンダードの中にクレドを含むモットー・サービスなどの事項を明示し、理想的な姿を明確に掲示しています。
特に注目すべきは、社員への約束事項です。事項の中には社員一人ひとりが企業にとって貴重な資源であると明記し、その成長を補助することを約束しています。また、事項の中には多様性を尊重して個の志を実現させることで、充実した生活を送れる職場環境を作ることなども明記されています。
結果としてリッツカールトンは「個」を重視する理念を作成することで、クレドの浸透に成功したと言えます。

クレド作成のステップ

クレド作成のステップクレドの作成においてはいくつかの注意点があり、クレドの内容がありきたりであれば形骸化しやすくなってしまいます。例えば「顧客第一」「社会貢献」などの言葉は独自性が低いので浸透しにくいのが特徴です。独自性が低く曖昧なものであれば判断基準になりにくいので、ありきたりなクレドは作成しないようにしましょう。
また、「顧客の価値を創造」「ユーザーニーズを実現」などの内容では、抽象度が高すぎて具体的なイメージができず浸透しにくくなります。したがって、クレド作成時は個人レベルでの行動基準となるように再現性のある具体的な指針を作成します。

クレドの作成手順

クレド作成のプロジェクトチームを作る際は経営層、管理職を除いたメンバーを中心にし、「経営層」「管理部門」「一般従業員」をはじめ、さまざまなポジションのメンバーで形成します。
次に目標やスケジュールを決めていきます。チーム内でクレド目的などについて話し合いをおこない、クレドの作成方法・作成の意味・完成までの時間や必要性などについても話し合いをします。経営層へのヒアリングも重要事項です。クレドは経営層も含めた社員の行動指針になるので、一般従業員と経営層の意見交換も重要になります。
次のステップとして、社員全体へのヒアリングをおこないます。クレド作成のためには一部の人間の議論のみで終わらせないように、社員全体にクレドに関するアンケート調査なども実施しましょう。さらにクレドの明文化・文章化をおこないます。このステップではクレド作成時の各ステップの情報も合わせて公開していきます。
そして明文化したクレドを、フィードバックしてもらうことによる調整をおこないます。フィードバックにより修正や調整すべき点などの検出が可能です。最後にクレドを共有・伝達するためのツール化を行います。社員携帯できるカードにする、動画にするなどさまざまな手段がありますので、自社に適した方法を選択しましょう。

従業員主体でクレドを作成|インナーブランディングへの効果

従業員主体でクレドを作成することは、「人材育成」「エンゲージメント」「コンプライアンス」の3つの効果を得ることが期待できます。
「人材育成」: 従業員視点の明確なクレドを作成すれば、行動指針としてクレドを活用できます。明確なクレドは個人の行動基準を理解したうえで、自信を持って業務を遂行できる有能な人材の育成にも繋がっていくのです。

「エンゲージメント」: 社員のエンゲージメントの向上が期待できます。明確なクレドがあれば自分の行動・判断に自信が生まれ、主体性を持って業務を遂行できるのでモチベーション向上にも繋がります。日々の業務における問題に対しても、明確なクレドを参考にして自分の力で問題解決することがエンゲージメント向上にも繋がります。 

「コンプライアンス」: コンプライアンスの向上が期待できます。クレドの大きな目的の一つはコンプライアンスの強化であり、クレド設定により社員が能動的に意識改革をおこなえば同時にコンプライアンスも強化されます。したがって多くの企業ではコンプライアンス強化を最大の目的としたクレドの導入がおこなわれています。

クレドを浸透させるためには

クレドを浸透させるためにはクレドを作成しても、しっかりと浸透させなければ意味のないものになってしまいます。実際の業務で作成したクレドを活用しなければ決して浸透はしません。例えば朝礼で読み上げたり、常に目に見えるところに掲示しておくなど、社員が閲覧してすぐに実践できるような環境にする必要があります。
では、クレドの具体的な実践方法にはどのような手段・方法があるのでしょうか。

クレドカードの導入

クレドの具体的な方法の1つとして、クレドカードの作成が挙げられます。クレドカードは「企業の信条・行動指針」を記載したカードです。クレドカードを問題解決時の判断基準として常時携帯するようにすれば、行動指針を理解して優秀な人材へと成長していきます。
このような観点からも、社員それぞれに常にクレドカードを携帯させることは、日々の行動に関しての認識付けができて効率的です。

従業員主体のクレドをトップダウンメッセージに変える|動画の効果

社員主体で作り上げたクレドを、動画サービスなどを利用してトップダウンメッセージに変換させる方法もクレドが浸透しやすくなります。しかし、動画配信時に手元の原稿を普通に読み上げるだけでは、クレドは浸透していきません。動画内で心の底から伝えたいこと、社内で本当に改変していきたい点などを熱い気持ちで伝えることが重要です。
また、メッセージ性の強い動画を作成するためには、映像や音楽、構成のクオリティを上げて、社員に少しでもクレドが浸透する内容になるよう努めましょう。

本気で伝えるなら外部業者もパートナーに

社員にクレドを本気で伝えたいのであれば、外部業者もパートナーにする必要があります。社内でクレドの浸透のための動画を作成しようと考えても、クオリティの高い動画は困難でしょう。動画作成を専門とする外部業者をパートナーとして動画作成を依頼すれば、企画から制作、配信まで迅速に対応してくれ、クオリティの高いコンテンツが完成します。
外部業者をパートナーとして依頼すれば、自社では思いもつかない斬新なアイデアなどを提示してくれる場合もあり、高品質な動画作成が期待できます。テレビCMなどのハイクオリティな動画制作を専門的に手掛け、多くの実績もある企業であれば、安心して仕事を依頼できます。 

インナーブランディングを検討される方へ

インナーブランディングを検討される方へクレドに限らず、インナーブランディングを浸透させることは大変な作業です。インナーブランディングの手法を決定しても、自社の力だけではすべての社員にしっかりと浸透させていくのは困難と言えます。そこで、インナーブランディングの遂行を外部業者に依頼するのも有効な手段です。


コンサルが得意、イベントに強いなど、企業ごとに強みがあるので、課題やステージに合わせて相談先を選定すると良いでしょう。 シースリーフィルムは、テレビCM制作を核として培ってきたアイデアやクリエイティブの力を応用し、インナーブランディングを目的とした映像やデジタル施作などにも取り組んでいます。 社員へのコミュニケーションに映像を用いることで、エンゲージメントを高める効果が期待できます。 課題整理からコンテンツ制作までワンストップでサポートいたしますので、ぜひご相談ください。
また、シースリーフィルムはコンサルティングやインナーブランディングの施策作成まで幅広く取り扱っていますが、特におすすめなのが映像作成です。インナーブランディングに関する動画作成を依頼すれば、効果的なコンテンツを提供してくれることでしょう。

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