広報戦略におけるインナーブランディングの鍵は「企業の核」を見つけること

インナーブランディング成功のためには支援サービスがおすすめ!その理由や代表例も解説

企業の経営や人事に関わる方にとって、インナーブランディングはもはや馴染みのあるワードになりつつあるのではないでしょうか。コロナ禍やリモートワークの普及により、インナーブランディング活動の重要性は日毎に増しています。
とくに、社内外のコミュニケーションハブである広報は、インナーブランディングと非常に関係が深い分野です。しかし、経営や人事の部署はあっても専門の広報担当者のいない中小企業では「広報戦略におけるインナーブランディングのポイントは一体何なのか?」という疑問をもっているかもしれません。
そこでこの記事では、広報活動におけるインナーブランディングについて、一連の流れをまとめました。社内広報で重視すべきことや有効な施策例など、必要な情報をトータルでお伝えしています。通してお読みいただくことで、広報戦略の道筋が見えてくると思いますので、ぜひ自社の社内広報やインナーブランディング計画に役立ててみてください。

インナーブランディングの意義

インナーブランディングの意義インナーブランディングは、企業が掲げる理念やビジョンなどのブランドイメージを、社員や内部関係者に浸透させる活動のことをいいます。そもそもブランディングとは、自社ブランドが市場においてどう認知されるか、どのような役割を担うかを明確にし、そのイメージを浸透、定着させるための活動です。
ブランディングはマーケティング活動の一環と認識されることもありますが、本来宣伝やPR活動、顧客とのコミュニケーションなど一連のマーケティングフローの根を支えるもの。社内向けのインナーブランディングもこれと同様に、社内広報やインターナル広報といった活動の根底を支えます。
インナーブランディングに注力し、企業と社員の間でよりよい関係性を築くことができれば、企業の全体的な組織が向上します。結果的に社外向けのアウターブランディングの形成にもつながっていくため、インナーブランディングこそがブランド価値の構築に欠かせない土台になると考えられています。

インナーブランディングの目的と効果

インナーブランディングの大きな目的は、社内の士気を統一することです。さまざまな手法を用いて、社員に自社のブランド価値を伝え、理解し、共感してもらうことが目下の課題。
社内の士気統一は「意識共有」とも言い換えることができます。社内で共通の意識をもつことにより、一人ひとりが「自分は自社ブランドを構築するための重要な要素である」という認識を持てるようになります。企業の課題を自分ごととして感じてくれる社員が増えれば、それぞれがより積極的で能動的に行動につながるため、企業全体のパワーが底上げされていくのです。
効果的なインナーブランディング活動によって、業務改善や商品やサービスの品質向上、優秀な人材の確保など、企業の事業成長に直結する効果も期待できるようになります。

インナーブランディングと広報:その1

インナーブランディングと広報:その1インナーブランディングの基礎的な内容をおさらいしたところで、インナーブランディングと広報の関係性について理解を深めていきましょう。
広報は、企業のPR活動の一環です。PR活動とブランディングは非常によく似た役割を担っており、インナーブランディングは「インターナル広報」という活動の一環に含まれます。まずはインターナル広報や社内広報の役割や目的を改めて整理し、社内広報におけるインナーブランディングの鍵はどこにあるのかを考えていきましょう。

そもそも広報の役割とは

企業の広報活動には、大きく4つの役目があります。

  1. 企業と社会をつなぐ架け橋の役割
  2. 企業に関わる人々とのコミュニケーションハブ
  3. メディアリレーションズや認知拡大
  4. ブランディングの推進

広報は、企業と社会の接点を作ったり、対応を行ったりする架け橋の役割があります。PR活動や宣伝といった一方的な情報発信のみならず、問い合わせや報道などに対応するのも広報の役割です。双方向のやりとりをするため、企業に関わるあらゆるステークホルダーとのコミュニケーションをつなぐハブ役も担っています。
もちろん、メディアへの情報発信も広報の重要な任務です。社会への認知拡大を図るためのPR企画から、各メディアとの関係構築といったメディアリレーションズを築いていくのも広報の仕事。そして、自社ブランドの魅力を発信し、社会に浸透させていくためのブランディングの推進にも大きく関わっています。
これら広報の活動は、社外と社内の両方に向けられています。対象とする相手や活動の内容は違っても、企業と人の間に入って良好な関係構築をするのが広報の役目です。 

広報活動をする目的は

広報活動は、目的別に「コーポレート広報」「サービス広報」「インターナル広報」の3つに分類されます。
コーポレート広報は、資金調達や採用などの経営に関わる広報活動です。顧客や取引先、株主などさまざまな外部関係者とコミュニケーションをとることが非常に重要なポイントでもあります。
サービス広報では、売上や業績などの事業成長に直結する広報活動を行います。自社の商品やサービスの特徴や魅力を伝えること、ブランドの認知活動などもサービス広報の一環です。
そして、企業内部に向けた情報発信やコミュニケーションを促進するのがインターナル広報です。インターナル広報は、インナーブランディングの活動内容と非常によく似ています。インターナル広報は、社内活性化を目的とする活動。企業の理念やビジョンを浸透させ、社内の縦横のコミュニケーションを活性化し風通しをよくすることもインターナル広報の一環です。インターナル広報は、社内向けの活動のように思えますが、内部の環境をしっかり整えることで組織力の底上げと社外向けのブランド発信力につながります。広報活動は内部と外部で分けるものではなく、つながりやバランスを意識することが大切です

社内広報の役割は

社内広報の役割は、企業理念の浸透やコミュニケーションの活性化を通じて、社員一人ひとりに仕事に対する充実や喜びを感じてもらうことにあります。会社への貢献意欲や愛社精神を育てることにより、成長機会を創出するのが目的です。
その役割を果たすために、広報によるニュースの発信やメディアへの情報掲載が企業と社員にとってどのようなメリットをもたらすのかを知ってもらうことが必要です
社内広報の役割が適切に機能していない、あるいは誤った方向に傾いてしまうと、さまざまなリスクが起こります。企業内の情報収集ができなくなることによって、重要な報告やニュースを逃してしまい、情報交換のトラブルや行き違いが発生しやすくなります。
また、広報活動は現場で働く社員の協力が欠かせません。コーポレート広報における外部取材やメディアへの登壇などでも、社内での密接なコミュニケーションを取りながら現場の情報収集等の協力が得られないと、広報は役割を果たせず企業のPRといった発信力が激減します。
このようなリスクを防ぐためにも、社内広報をしっかり機能させて「広報の重要性」を広く認知してもらうことが大切なのです。

インナーブランディングと広報:その2

インナーブランディングと広報:その2ここからは、広報とインナーブランディングの直接的な関わりについて見ていきましょう。
社内広報の活動内容には、社内報の作成から動画配信、社内イントラの整備など実に多様です。しかし、それらが企業から社員への一方的な情報発信にならないよう注意する必要があります。
社内広報の目的は、社員の士気を統一して結束力を高めるためです。企業と社員の間に良好な信頼関係を構築するには、ただ情報を発信するだけではなく、その芯に企業活動における核となる「コアコンピタンス」を確立することが重要です。

コアコンピタンス【企業の核(core)】とは

コアコンピタンスとは、企業活動の核(core)となる「企業独自の強み」を意味します。強みとは、企業が持っている能力のことだと考えてください。
コアコンピタンスの具体的な要素は、主に次の3つとされています。

  • 顧客に何らかの利益を与えられる能力
  • 複数の市場や製品にアプローチできる能力
  • 競合他社に模倣されにくい能力

このように複数の強みを兼ね備えたものが、コアコンピタンスです。たとえば、トヨタ自動車の「トヨタ式生産システム」や、富士フイルムの「精密技術」などが代表的な事例として挙げられています。
企業にしかない技術や競合他社が真似できない、唯一無二の強みがコアコンピタンスの定義です。そしてさらに、コアコンピタンスを制定するには、企業の基本理念であるMVVの策定も欠かせません。

MVVを策定して核は何かを決める

MVV(ミッション・バリュー・ビジョン)は、企業の安定や成長に欠かせない根本理念です。それぞれ、企業の存在意義や目的、理想像、価値観などを表しています。
MVVが明確になっていれば、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーに自社の存在意義を認識してもらいやすくなります。さらに経営判断に迷ったときの大きな道しるべにもなるため、多様化する現代のビジネスにおいて強く重要視されるようになりました。
MVVはコアコンピタンスと重なり合う部分をもっています。まずは企業の根本理念となるMVVを明確に定め、その土台の上でコアコンピタンスを具体化していくのが基本です。MVVの策定、コアコンピタンスの抽出、そしてインナーブランディングの方向性の決定という流れで進めるのが、もっとも適切なフローになります。

コアコンピタンスを盛り込んでインナーブランディングが動き出す

インナーブランディングは、企業独自の強みであるコアコンピタンスを盛り込んではじめて動き出します。
ブランディングは、企業の理念や価値観を社内全体に浸透させること。しかし、MVVやコアコンピタンスといった核となる信念や強みがなければ、有効なメッセージにはなりません。広報活動をいくら行っても、そこに一本の強い芯が通っていなければ、ただの情報として流されてしまいます。
コアコンピタンスが明確になっていれば、企業から発信される情報は社内広報の枠を超え、社内共通の意識として浸透していくでしょう。情報過多の時代だからこそ、魅力的で説得力のあるメッセージを伝え続ける必要があるのです。

広報としてのインナーブランディングの目的は

広報としてのインナーブランディングの目的は広報としてのインナーブランディングは、人事面での課題解決を最大の目的としています。
近年の若年層の労働観や勤労観の多様化は著しいことは、多くの方が既に認識されているでしょう。私生活と仕事の充実度を指す「ワークライフバランス」を意識する傾向は年々強まる一方。加えて、仕事の内容も自分の個性を活かせる専門職の人気が高まっており、状況次第で仕事を変える転職志向も高くなっています。
このような時代背景から、優秀な人材の確保や、離職率の低下、定着度の向上のためのパラダイム転換が必要になってきているのです。
広報には「いかに自社で働くメリットがあるか」「いかに会社の価値観に魅力を感じてもらうか」といった課題を達成するための情報発信を行う役割が求められています

従業員エンゲージメントとを上げる広報戦略を

インナーブランディングにおける広報戦略では、従業員エンゲージメントを向上させることに注力する必要があります。
経営コンサルティングの企業モチベーションエンジニアリングが2019年に行った「エンゲージメントと退職率の関係」という調査結果では、従業員エンゲージメントの数値が高いほど退職率が低くなるという結果が報告されました。この相関関係は、現場の社員だけでなく管理職にも同じ傾向が見られることがわかっています。
社内広報としてまずは、働くメリットを核に広報戦略を立て、効果的なメッセージを伝達していきましょう。従業員エンゲージメントが高まれば、社員は自分が働く会社に愛着をもち、自社の魅力を社員自ら外部に伝えるようになります。すると自然と社外からの評判が高まり、業績も上がっていくというプラスの循環を生み出すことが可能です。この循環を作り出すことさえできれば、インナーブランディングの効果が波及的に広がっていくようになります。

有効な施策は何か

社内広報の活動には、Webサイトや社内報などのメディアの活用がとても有効です。これまではポスターの掲示や冊子型の社内報配布、社内イベントの実施などが王道でしたが、近年では社内報のデジタル化や社内SNSの活用も主流になりつつあります。
オンラインやデジタル化の動きが加速するなかで重要なのは、経営者自身が積極的に情報発信することです。インナーブランディングでは、経営者と社員の接触機会を増やすことが重要視されています。広報担当まかせの施策では、社員に響くメッセージにはなりません。
これまで縦のコミュニケーションを取る機会は非常に限られていました。しかし、オンラインメディアを使った施策であれば立場や役職、部署といった垣根を越えて隔たりのないスムーズなコミュ二ケーションも可能になります。経営者自身が率先して、自ら企業の「核」となるメッセージを発信しリードしていけば、社内の空気はより活気づいていくはずです。

広報戦略を最大化させるためには

広報戦略を最大化させるためには広報戦略を最大化させるには、発信した情報を社員にきちんと見てもらうための工夫が必要です。採用する手法やメディア、その組み合わせなども念入りに検討していく必要があります。
より短い時間で、効果的に企業からのメッセージを伝えるには、動画の活用がとても効果的です。ここからは、インナーブランディングに動画を活用するメリットや、成功事例などを詳しく見ていきましょう。

動画活用の有効性を知る

社内WebサイトやSNSの活用が広まっているなか、動画の配信は外せない要素といってもよいでしょう。インナーブランディング用の動画は、WebサイトやSNSへの掲載も簡単で、採用ページや社外向けのイベントでも使える汎用性の高い方法です。一度にたくさんの人に見てもらうことができるため、費用対効果も高くなります。
さらに動画では、映像と音楽、テキストなど複数の要素を使うため、表現のしやすさと伝わりやすさが段違いです。視覚と聴覚に訴えかける動画コンテンツは、テキストコンテンツよりも記憶に強く残るので、理念の浸透度を早める効果も期待できます。
ブランドは、本質的価値や存在意義をどのように可視化できるか、イメージできるようにするかがとても重要。イメージを表現するのに動画は最適です。実際に、多くの企業で動画を使ったインナーブランディングや、インターナル広報が行われています。

動画のクオリティーを追求するために

インナーブランディング動画の効果は、クオリティによって大きく左右されます。しかし、クオリティの高い動画を自社で作成するのは難しいでしょう。映像制作のプロに依頼し、完成度の高い本格的なインナーブランディング動画を用意するのが理想的です
動画制作の外部発注には、クオリティ以外の面でもメリットがあります。たとえば、撮影から編集までを一貫して進めることができ、制作フローをすべて一任することも可能です。社内のリソースをコンテンツ制作に割く必要がないので、担当者は本来の業務に専念できます。第三者の視点が入ることによって、社内関係者には見えていない魅力を引き出してくれることもあります。インナーブランディング動画は、目的や課題を明確に定めて作っていくことも重要なため、課題整理から制作、納品までをワンストップで支援してくれる会社がおすすめです。
さらに、広告映像の分野で実績のあるプロに依頼すれば、企画段階から編集までの全プロセスにおいて、ハイクオリティな広告映像の専門的なノウハウを元に制作できるのも大きなメリットです。

インナーブランディングを検討される方へ

インナーブランディングを検討される方へインナーブランディングを行う際はできるだけ効率よく、社員に確実に浸透させたいものです。とくに広報は、社外向けのPR活動やIR広報などさまざまな業務があるため、動画制作に時間を割くのが難しい場合もあるでしょう。
インナーブランディングの施策は自社独自に取り組める部分もありますが、難しい部分はインナーブランディングの支援に強い企業に相談してみるのもおすすめです。 企業ごとに、コンサルが得意、イベントに強いなどの強みがあるので、課題やステージに合わせて相談先を選定するとよいでしょう。

シースリーフィルムは、テレビCM制作を核として培ってきたアイデアやクリエイティブの力を応用し、インナーブランディングを目的とした映像やデジタル施作などにも取り組んでいます。 社員へのコミュニケーションに映像を用いることで、エンゲージメントを高める効果が期待できます。 課題整理からコンテンツ制作までワンストップでサポートいたしますので、ぜひご相談ください。

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