「人生で無駄な事は一つもなかった」と思える仕事

代表取締役社長

久松 真菜

2024年1月、AOI Pro.の国内グループ会社において、初の女性代表取締役に就任した久松真菜氏。就任して4ヶ月、シースリーフィルムへの想いや今後の目標を伺いました。

ー映像業界を目指したきっかけを教えてください。

子どもの頃からドラマや映画が大好きでしたが、裏方のお仕事の存在を知ったのは中学2年生の時。テレビでAD(アシスタントディレクター)の特集番組を見て、全力で働くスタッフさんの姿がとてもかっこよく見えました。大学ではアナウンス研究会で映像制作の経験を積み、就職活動の際はテレビの制作会社も受けましたが、最終的には広告業界を選び、2024年で19年目になりました。 

ー広告の映像制作に惹かれた理由を教えてください。

広告は、ドラマや映画と比較すると、短い尺の中で、それも15秒、30秒の中で勝負しなければいけない世界。たった数十秒で人の記憶に残るものをつくる使命があるので、膨大な時間をかけて、細部までクリエイティブにこだわります。一秒一秒のカットに対して、大人数のプロフェッショナルと一緒にああでもない、こうでもない、と話し合うのは本当に楽しい。なんて面白い仕事なのだろう、と日々実感しています。

ー現在のシースリーフィルムをどのようにとらえていますか。

とてもアットホームな会社だと思います。社員全員、一丸となって良い会社にしていこうという雰囲気がある。そして、新卒と中途採用の人が混じっていて、一人ひとりのバックグラウンドが多種多様で面白い。だからこそ、「シースリーが好き」という人が多い印象がありますね。私が来たことによって、その空気感を壊さずに、新しい風が吹いたね、と思われるように頑張りたいです。

ー代表取締役 就任時のコメントで、現在を「転換期」と表現されていました。具体的に、今はどのような「転換期」ですか。

創業から2024年で33年が経ちます。シースリーフィルムにしかない持ち味や良さを、改めて皆で探して、育てて、胸を張って提示したい。

一方で、今は映像業界の転換期でもあります。スマホ一つあれば、誰でも映像編集ができる時代になり、映像制作会社がどのようにプロフェッショナルとして特化していくのか、常に考える必要があります。他にもAIをどう取り入れていくのかなど課題は多いです。

ーその転換期をどのようにとらえていますか。

とても難しい時代だと思います。でも、視点を変えれば試されている、とも言えます。誰が主導権を握ってもおかしくない今、「この人だからこれができたよね」と思ってもらえないと、これからのプロデューサーは生き残れない。私たちは映像のプロとして、作品をより良くする手数をいくつも持って、どんどん提案をしていく必要があります。そのためには、今どのような映像が流行っているのか、注目されているタレントさんはどなたかなど、止まらずにずっと勉強しておかないとだめ。十年前と今は違う、そして半年後にはどうなるのか分からない、そこをきちんと理解して、常に学びを重ねて、実践することが大切です。

私は社長と並行してプロデューサーとしての仕事も続けていきます。変化を柔軟に受け入れながら、現場での学びを会社全体の経営に反映していきたいです。

ー映像制作の仕事の魅力を教えてください。

人との出会いが多いこと。頼られたり、感謝されたりすること。勉強すればするほど結果に繋がること……など、魅力は言い切れませんが、私の中で大きいのは、この仕事を通じて「人生で無駄な事は一つもなかった」と思えるようになったこと。

例えば、学生時代にアナウンス学校に通った経験から、ナレーションは頼まれれば自分でできる。カフェの接客業のアルバイトで学んだ効率化は、撮影現場の効率化にも応用できる。3歳からダンスを始めて学生時代にも打ち込んできたのですが、一緒にダンスをやっていた後輩に振付師をお願いしたり……。人生の点と点がすべて線で繋がるんです。どんな経験も人脈も存分に活かすことができる、自分の人生を肯定できる仕事だと思います。 

ー今後の目標を教えてください。

シースリーフィルムをワクワクする会社にすること。私が加わったことで、これまで築き上げてきたものが「さらに良くになったね」と思ってもらえるように、社員と一緒に盛り上げていきたいです。

そして、もう少し広い視野でいうと、ライフプランの設計が自由にできる業界になってほしいと願っています。女性プロデューサーの一番の悩みは、結婚や育児でキャリアを諦めなくてはいけないかもしれない、ということ。でも、そんなことはないんだ、と私が率先して言っていきたい。結婚や育児とプロデューサー業は両立できるし、性別関係なく、実績を積めば認められる。私の働く姿が誰かを鼓舞することを願って走り続けたいです。男女問わず様々なライフイベントがありますし、皆が働く環境を良くしていきたいです。そして、業界全体がより良い方向へ動くよう、私なりの考えを次世代に提示していきます。

映像業界は勉強と刺激の連続

ー最後に、シースリーフィルムで働くことに興味のある方へ、メッセージをお願いします。

映像業界は勉強と刺激の連続で、これまでの私の人生を間違いなく豊かにしてくれました。映像に関わったことがない人も歓迎ですし、究極、映像が好きでなくてもいい。つくっていく映像をどれだけ良くできるのか、映像制作を共にする仲間と誠実なコミュニケーションを重ねて、考える。そんなお仕事です。少しでも気になったら、ぜひ飛び込んできてください。

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